平和の尊さかみしめ テニアンで県人戦没者慰霊祭


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テニアン島で戦没した県出身の鎮魂を祈り、手を合わせる参列者=27日、テニアン島の「沖縄の塔」

 【テニアンで当銘寿夫】第37回テニアン島沖縄県人戦没者慰霊祭(沖縄テニアン会主催)が27日、テニアン島の「沖縄の塔」で開かれた。帰還者やその家族、現地関係者ら約100人が参列し、70年前の地上戦で亡くなった県人のみ霊を慰めた。

 沖縄の塔は、島南部の東側海岸にあり、そばには米軍に追い詰められた旧日本軍や住民が崖下の海に飛び込んだスーサイドクリフ(自殺の崖)がある。
 沖縄テニアン会の宜野座朝美会長は「多くの県民が亡くなった悲惨な状況を、生き残った私たちは忘れることはできない。南洋の地に眠る同胞をいつまでも忘れず、生きている限り、テニアンを訪ね、この慰霊碑の前でみ霊にお会いする」と追悼した。テニアン島で家族7人を亡くした伊佐善亀さん(78)は「家族を亡くした時は思い出すのもつらい地獄のような惨状だった。戦争の愚かさと平和の尊さをかみしめると同時に、島に戦没者が永久に鎮まるよう祈念する」と遺族を代表してあいさつした。
英文へ→A memorial service for Okinawan war dead held in Tinian