<未来に伝える沖縄戦>戦死の父、遺骨で帰宅 町田初子さん(83)第3話


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第2話からの続き

 《町田さんの父は、小禄で爆弾の破片に当たり戦死したことが、戦後になって分かりました。父が残した遺書を戦後、兵隊仲間が家に届けてくれ遺骨の場所も分かり、遺骨は一家のお墓に納めることができました》

 父はとても優しい人で、近所の少年兵にイモを分け与えたりしていた。父は亡くなる前、習字の紙に「美栄橋のカナグスク(金城)」と記していた。美栄橋には親戚が住んでいたから、自分が亡くなった後、すぐに家族に知らせられるように準備していたのだろう。兵隊仲間がその紙を持って家を訪ねてきた。母は、父が亡くなったと知っても涙は見せなかった。骨を集めて、お墓に納めることに一生懸命だったのだろう。

※続きは10月12日付紙面をご覧ください。