「骨折も無駄ではない」 佐治さん、左手で描画 個展開く


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佐治俊克さんによる「佐治俊克 骨折展 RIGHT、LEFT TO RIGHT.」=18日、浦添市港川の夜カフェrat&sheep(金良孝矢撮影)

 骨折を“逆手”に取ったデザイナーの佐治俊克さん(44)による個展「佐治俊克 骨折展 RIGHT、LEFT TO RIGHT(右手、左手から右手へ).」が17日から浦添市港川の夜カフェrat&sheep(ラットアンドシープ)で開かれている。

 佐治さんはことし8月に不注意で右上腕骨を骨折した。利き腕が使えず、痛みをまぎらわせるため左手で水彩画を描き始めた。妻のあづささん(42)が「(落ち込んだ本人を)慰めるため」個展を勧めたのが開催のきっかけとなった。
 骨折前夜に描いたものから入院中、退院後の10点の作品を展示した。
 優しいタッチの作品群だが、骨折のつらさが伝わる絵がある一方で、けがが回復するにつれて明るく描かれるなど、画風の変化も見て取れる。
 ギプスを外してリハビリ中の佐治さんは「水彩画が新しい仕事につながり、骨折も無駄ではなかった」と笑う。個展を通して「つらいことがあっても希望を持って好きなことをやってほしい」とメッセージを送る。
 入場無料で、日曜祝日を除く29日まで(時間は午後5時から午前0時)。作品は1点1万円(税込み)で販売している。問い合わせはrat&sheep(電話)098(963)6488。