サキタリ洞遺跡から9千年以前人骨出土 上半身、関節つながった状態


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サキタリ洞遺跡で発見された埋葬されたとみられる人骨。指さしている所が頭部、その左右が腕、下が骨盤=11日午前11時28分、南城市玉城

 【南城】県立博物館・美術館(安里進館長)は11日、南城市玉城前川の観光施設「ガンガラーの谷」内にあるサキタリ洞遺跡で、9千年以前のものとみられる人骨が見つかったと発表した。

 人骨は、頭部や上半身部分などで関節が組み合わさった(交連)状態で発見された。同館によると、埋葬された可能性あるといい、「当時の人々が洞穴を墓として利用していた可能性を検証する、新たな手掛かりとなる」と話している。移動された形跡はなく、原位置で発見された交連の人骨としては県内初で最古という。
 発見されたのは成人の1体分の頭部や上腕など主に上半身部分と、大腿(だいたい)骨や骨盤など。サキタリ洞の入り口付近の調査区?の地表下約3メートルから出土した。人骨はあおむけで、直径約30センチの石灰岩の礫(れき)4個が覆っていたことから、人為的に葬られたと考えられるという。
 県内では港川人や白保竿根田原洞穴人など約2万年前の旧石器人骨の出土例があるが、骨格が交連した状態での発見はなかった。
【琉球新報電子版】
英文へ→Human bones dating back 9,000 years found at Sakitari Cave