コザ、29年ぶり頂点 女子那覇西は10度目V 新報旗ハンド


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 ハンドボールの第31回琉球新報旗争奪九州高校選抜大会県予選(主催・県ハンドボール協会、琉球新報社)は26日、八重瀬町東風平運動公園体育館で男女決勝を行い、男子はコザが37―31で浦添を退け、29年ぶり2度目の頂点に立った。女子は那覇西が32―20でコザを破り、2年ぶり10度目の優勝を果たした。

男女の上位2校は全国大会出場を懸けた九州選抜大会(来年2月・佐賀県)の出場権を得た。

◆17得点、圧倒的存在感 コザの主将・山城
 コザの主将・山城翔が決勝の舞台で圧倒的な存在感を見せた。163センチと小柄ながら、高い身体能力と多彩な技術でコート上を支配した。滞空時間の長いジャンプで壁の上をぶち抜くシュートを見せたかと思えば、フェイントからサイドスローで得点を奪い続けた。相手のマンマークをものともせず、17得点。大車輪の活躍でチームを頂点に導いた大黒柱は「小さいチームだが運動量には自信がある。沖縄の代表として結果を残したい」と九州、全国での活躍を誓った。
 序盤から一進一退の攻防が続いたが、冷静さを失わなかった。「どの試合も出だしはこんな感じ。それよりもきっちり走ることを意識した」という。
 15―14で迎えた前半25分からの2分半は“山城の時間”だった。チーム16点目となるゴールを挙げると、その直後にはセンターライン付近でボールを奪い、カウンターから得点。すぐさま自陣に駆け戻ると、再びスチールから速攻を決めた。左サイドから下手投げのショットも決め、4連続得点し主導権を握った。
 5点リードで前半を折り返すと、後半からチームは持ち味の運動量を取り戻し、反撃をしのいだ。
 昨年は九州選抜を勝ち抜き、28年ぶりに全国選抜に出場したが、3回戦で敗れた。その時に1年生ながら主力だった山城は「チームワークと走り込みの量はどこにも負けない。昨年届かなかった全国8強を目指したい」と意気込んだ。(荒井良平)

◆堅守とパスで主導権 女子那覇西
 女子は11月の県高校新人大会に続き、那覇西が頂点に立った。堅い守備と素早いパス回しで序盤からペースを握り、地力の高さを見せつけた。
 7―6で迎えた前半13分、那覇西の攻撃力が爆発した。野崎夏実のカウンターなどで6連続得点。一気に突き放した。
 後半は平安山笑奈が右サイドから速攻やループシュートを決め、得点源になった。後半だけで6得点を挙げた平安山は「前半はシュートを止められていたので後半はタイミングをずらし、考えて打った」と冷静なプレーで追いすがるコザを退けた。
 主将の金城わかなは「守ってつなぐことはできたが、シュートミスが多かった。九州、全国へ向けて減らさないと」と気を引き締めた。

男子決勝・浦添―コザ ジャンプシュートを放つコザの山城翔=26日、八重瀬町東風平運動公園体育館(普久原裕南撮影)
女子決勝・那覇西―コザ 速攻からシュートを決める那覇西の平安山笑奈