「オオバンマイ」に熱気 あすまで佐良浜大漁祭り


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
<大漁祭り>空高く放り投げられたカツオやマグロ、ツムブリの切り身を受け取ろうとする参加者ら=1日午後2時半ごろ、宮古島市伊良部の佐良浜港

 【宮古島】伊良部大橋の開通を記念し、伊良部漁協と宮古島観光協会は1日、宮古島市伊良部の佐良浜港で大漁祭りを開催した。観光客だけでなく、宮古島の住民も、これまで「近くて遠い島」だった伊良部島の魅力を体験しようと訪れた。祭りは3日まで佐良浜港で開催される。

 1日は、佐良浜地区で毎年旧暦5月4日(ユッカヌヒー)にハーリーとともに行われる「オオバンマイ」が特別に行われた。2隻の漁船に漁師や下地敏彦宮古島市長らが乗り、300キロを超えるマグロやカツオ、ツムブリの切り身を空高く放り投げた。集まった住民や来島者は、段ボールや金だらい、逆さにした傘を構えて切り身を受け取った。
 宮古島市平良から訪れた三木貴史さん(36)=ヨガスタジオ経営=は、初体験のオオバンマイに「切り身が空を飛んでいて衝撃的だった。次はちゃんと傘を準備してから来たい」と笑顔。手に入れた切り身は煮付けにして食べるという。
 祭りではマグロの解体ショーや佐良浜地区の路地歩きツアーなども開催された。路地歩きでは、急勾配の斜面に細い道が入り組んだ佐良浜の町並みを巡り、漁師町ならではの独特な文化を学んだ。宮古島市平良の主婦、安田香恵さん(44)は「自分だけではここまで深く佐良浜の町に入れないので、参加して良かった。とても充実していた」と話した。
 伊良部漁協青年部が運営する漁師屋では、客が天ぷらや総菜を求めて長い列を作った。同漁協の漢那一浩組合長は「大橋の開通と伊良部航路の廃止で、佐良浜は何もしなければ裏通りになる。工夫して多くの人を呼び込んでいきたい」と意欲を見せた。