水球・沖縄フリッパーズ、悲願の日本一へ あす全国大会開幕


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 水球の沖縄フリッパーズが26日から千葉県国際総合水泳場で開幕する全国JOCジュニアオリンピックカップ春季水泳競技大会に出場する。24日、那覇商業高校プールで調整したB区分の中学生メンバー(砂邊昭利監督)は小学生のときに全国準Vを経験、悲願の全国制覇に向けて士気が高まっている。

 もともと1・2年生が主体のチームでやってきた。昨年夏の全国大会では準優勝したチームに2回戦で当たり、延長後のペナルティースロー戦で敗れた。「あと少しで全国の頂点に近づけたのに」。悔しさをかみしめた選手たちは週4日の練習を6日に増やした。全国との差が泳力にあると実感し、徹底した泳ぎ込みで泳力も格段にアップした。
 「夏のリベンジ」と力がみなぎるエースの仲本駿之介(神森2年)は腰のあたりまで水上に出て打ち込む高い打点が武器。キーパーの動きを見極めて鋭い球をゴールに突き刺す。チームをラテン系と評し「勢いが乗るとすごい」と語る。身長183センチのフローター中井慶(松島2年)もゴール前で構え「きついときこそ点を決める」と気合は十分だ。
 キーパーの伊波盛一朗(神森2年)は常に大声で指示を出し1対1の場面を自分の見せ場として「むしろ楽しみ」にしている。4種類のディフェンスも臨機応変に陣形を変えて機能するようになった。
 小学生から水球を続ける仲間は表情を見るだけで意思確認ができる。小6で挑んだ2年前の同大会(A区分・小学生)では全国準優勝を経験した。砂邊利貴主将(神森2年)は「だんだん完成度が高くなっている」と自信をのぞかせる。
 練習で着実に個々の能力は上がったが、対戦チームが県内にはないため、大会でしか実力向上を実感できない。全国の大舞台で沖縄の“イルカたち”が跳びはねる。(関戸塩)

練習で鋭いシュートを放つ沖縄フリッパーズの中学メンバー=24日、那覇商業高校(諸見里真利撮影)
全国制覇を目指す中学メンバー