普天間オスプレイ、訓練強行 同型機墜落の翌日


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米ハワイ州オアフ島での墜落事故後、初めて米軍普天間飛行場を離陸するMV22オスプレイ=19日午後0時40分、宜野湾市の同飛行場(普久原裕南撮影)

 米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイは19日午後、米ハワイ州オアフ島での同型機の墜落事故後初めて、県内での飛行訓練を実施した。米軍は事故原因を公表しておらず、翁長雄志知事は同日午前、沖縄防衛局に対し、事故原因の究明が終わるまで、オスプレイの飛行中止と事故原因の早急な公表などを米軍に働き掛けるよう、文書で要請していた。

安全性への懸念が拭われない中、事故翌日からの訓練飛行実施に、県民からの反発は避けられそうにない。
 翁長知事は防衛局への要請で「県はオスプレイ配備に反対で、日米両政府に配備撤回を求めている」と強調した上で、事故は「県民に大きな不安を与え、大変遺憾だ」とし、局側に飛行停止への協力を求めた。
 一方、米国防総省のウォーレン報道部長は18日、翁長知事が原因究明までの飛行停止を求めていることについて「沖縄を含む日本でのオスプレイ運用計画に現時点で変更はない」と訓練続行の方針を明言した。
 日本政府も19日、「米政府は運用の安全性を確認している」(菅義偉官房長官)とこれを容認する考えを示した。また、海兵隊は本紙取材に事故後もハワイでの訓練を続けていることを明らかにした。
 在沖米海兵隊のMV22オスプレイ1機は19日午後0時40分ごろ、普天間飛行場を離陸。北部訓練場や金武町のキャンプ・ハンセンで離着陸訓練を断続的に実施し、同6時9分ごろまでに、同飛行場へと帰還した。その後も2機が夜間飛行訓練を実施した。同9時30分ごろまで伊江島補助飛行場で訓練を続け、それぞれ同9時54分と59分に普天間飛行場に帰還、着陸した。