「言論弾圧許さず」民主主義危機訴え 自民報道圧力で県民集会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
那覇市で開かれた「言論・表現・報道の自由を守る沖縄県民集会」=4日午後

 自民報道圧力問題で県議会与党などは4日夕、「言論の弾圧と沖縄歴史の歪曲(わいきょく)を許さない! 言論・表現・報道の自由を守る県民集会」を那覇市旭町の自治会館で開いた。同問題について「報道・言論の自由を脅かし民主主義の根幹を揺るがす」「沖縄の歴史を歪曲し県民を愚弄(ぐろう)するものだ」などと抗議する集会決議を採択したほか、潮平芳和琉球新報編集局長と石川達也沖縄タイムス編集局次長や県内有識者が登壇し、報道への圧力の問題性を指摘した。450人が参加した。

 表現の自由などについて講演した高良鉄美琉大法科大学院教授は「表現の自由は知る権利が前提で、知る権利に応えるために報道機関がある。事実だけ伝えろというのは『国の発表したことだけを伝えろ』ということだ」と批判し、「今回の問題は県民の名誉に懸けて許してはいけない」と訴えた。
 琉球新報の潮平芳和編集局長は「先日の会見でこの国の民主主義は危機的な状況にあると申し上げた。政府が適正に権力を行使しているかチェックし、監視するものがいなければ独裁になる」と報道の自由の重要性を強調し、「今回の問題をこの国の民主主義の終わりの始まりにしてはいけない」と語った。
 沖縄タイムスの石川達也編集局次長は「権力に寄り添うメディアは偏向ではなくて、住民に寄り添うメディアはなぜ偏向なのか。偏った報道は世論や読者に正されるべきだ。権力側から正されるものでは決してない」と訴えた。
 弁護士の横田達氏と照屋寛之沖国大教授も登壇した。
 大会決議では問題に関わった自民党国会議員と作家の百田尚樹氏に抗議し発言の撤回と謝罪を求め、安倍晋三自民党総裁に県民と国民への謝罪を要求した。