一日神が豊年願う 国頭村安田・シヌグ


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一日神となって集落の厄を払い、豊年を願う住民ら=15日午後、国頭村安田

 【国頭】国の重要無形民俗文化財に指定されている国頭村安田の伝統祭祀(さいし)「シヌグ」が15日、安田地区で行われた。断続的に激しい雨が降る中、地域住民の男らが花やわらで編んだ冠をかぶって山に入った。

男たちはつる草やシダなどの草木を身にまとって「一日神」となった後に下山して厄を払い、豊年を願った。
 シヌグは、ことしの「ウフ(大)シヌグ」と「シヌグンクヮー(小)」が1年ごとに交互に行われる。
 男たちは正午ごろ、集落内の「メーバ」「ヤマナス」「ササ」の三つの山に分かれて入った。一日神となった後に大太鼓のリズムに合わせ、厄や悪霊を集めて退散させる意味を込めた「エーヘーホーイ」の掛け声を繰り返し、山で取った草木で地面をたたく「スクナーレ」などをしながら集落を練り歩いた。
 一日神らは山の神に豊年、海の神へ航海安全や大漁を祈願した。この1年間で不幸があった人たちも草木ではたき、邪気を払った。
 夜は女性らが船の進水式で踊る「ヤーハリコー」、田の雑草を取る動きの「タンクサクェー」を披露。輪になって舞う「ウシンデーク」では大雨となったが、びしょぬれになりながら豊年への願いを込め最後まで踊り続けた。