豊作願いウンガミ 大宜味・塩屋湾


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海に漬かった女性たちの太鼓と掛け声で出迎えを受けながら、浜を目指すハーリー船=8日午後2時すぎ、大宜味村の塩屋湾

 【大宜味・今帰仁】国の重要無形民俗文化財に指定されている伝統行事「塩屋湾のウンガミ(海神祭)」が8日、大宜味村の塩屋湾と周辺集落で行われた。湾に面する田港と屋古の集落内にあるアサギで神人が豊年を祈願し、力強くハーリーを漕(こ)いだ。

 塩屋湾のウンガミは400年以上続くとされ、毎年旧盆が終わって最初の亥(い)の日から2日間行われる。初日の8日は午前11時すぎ、田港のアサギで神人が五穀豊穣(ほうじょう)を祈願しウンガミが始まった。正午ごろからは移動して屋古のアサギでも祈りをささげた。
 午後の御願バーリーでは、神人となった女性たちを乗せた船を男性たちが力強く漕いで塩屋湾へ到着した。腰まで海に漬かった女性たちが太鼓を打ち鳴らし、掛け声を上げながら出迎えた。9日は豊年踊りが行われる。
 塩屋とのきょうだい神がいると伝わる古宇利島ではウンジャミ(海神祭)が行われた。渡具知綾子さんら6人の神人が、神アサギや海岸で拝み、航海安全や豊漁、区民の健康を祈った後、塩屋に向けて「神送り」をした。