安倍政権に絶望 県庁前、安保法案反対に1500人怒りの声


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安保法案の成立に反対する県民集会で抗議の声を上げる市民ら=18日午後6時すぎ、那覇市の県民広場

 安全保障関連法案の廃案を訴えようと、那覇市の県庁前の県民広場で18日午後6時から県民集会「戦争法案廃案! 辺野古新基地建設断念! 安倍政権退陣! 9・18沖縄集会&国際通りデモンストレーション」が開かれ、1500人(主催者発表)が参院平和安全法制特別委員会での強行採決に「絶対に許せない」と抗議の声を上げ、法案成立に強く反対した。「SEALDs RYUKYU(シールズ琉球)」の学生から親子連れ、沖縄戦体験者まで幅広い年齢層が「民主主義を守れ」「辺野古新基地はいらない」と声を張り上げ、デモ行進した。

 県議会与党会派、市民団体などでつくる「止めよう新基地建設実行委員会」が主催。実行委員長の高良鉄美琉球大学教授が集会の冒頭で「独裁政治をなくすために生まれたのが日本国憲法だ。辺野古新基地建設と同じ構図を許してはいけない」と声を張り上げると、参加者から大きな拍手が鳴り響き、熱気が高まった。
 沖縄防衛局が辺野古移設に向けたボーリング調査を終えないうちに本体工事に着手する方針を示したことに対しても怒りの声が上がった。読谷村から駆け付けた医療事務の当山なつみさん(30)は「筋の通らないことをめちゃくちゃなやり方で通そうとするやり方は安保法案の強行採決と共通する。人々の声を抑え付けるのはやめてほしい」と憤った。
 沖縄戦で大宜味村の山中に3カ月間、家族と隠れて暮らしたという眞喜志勇さん(74)=豊見城市=には幼い孫が2人いる。「孫を戦場に送りたくない。子どもたちの未来のために、平和な沖縄を残したい」ときっぱりとした口調で話した。
 コールでデモ行進を先導したシールズ琉球の平良美乃さん(22)=浦添市出身、大学生=は「法案が成立しても終わりではない。憲法9条を変えようとしていることも許してはいけない。声を上げ続け、若い人たちにももっとデモに参加してもらえるよう発信し続けたい」と語った。