豊作願い、多良間で「八月踊り」始まる


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組踊「忠臣仲宗根豊見親組」で与那国島の鬼虎ら(左列)を美しい舞でとりこにする美人姉妹=20日午後3時15分、多良間村仲筋の土原御願所(普久原裕南撮影)

 【多良間】国の重要無形民俗文化財に指定されている多良間村の豊年祭「八月踊り」が旧暦8月8日の20日、始まった。22日まで仲筋・塩川の両地域でさまざまな組踊や狂言が演じられる。

初日は仲筋の土原(んたばる)御願所で組踊「忠臣仲宗根豊見親組」などが披露された。
 「忠臣―」は16世紀に仲宗根豊見親が与那国の首長・鬼虎を討伐する物語で、多良間にしか残っていない。美人姉妹の姉・オーガマを演じた西平夏生さん(多良間中3年)は「間違えないよう心掛けた。楽しく踊れた」と笑顔を見せた。
 八月踊りは人頭税の皆納を祝い、翌年の豊作を祈願したのが始まりとされる。21日は同村塩川のピトゥマタ御願所で、「ワカレ」と称する最終日の22日は両地域で芸能を奉納する。