<用語>92式あか弾


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 旧日本軍の毒ガス兵器。旧軍は毒ガスの種類ごとに色で呼称し、「あか(赤)剤」はジフェニルアルシンを成分とする、くしゃみ性・おう吐性ガスを指す。砲弾、弾頭に充てんして使用。目、鼻、呼吸器など粘膜に刺激を与え、高濃度ではおう吐、呼吸困難を起こす。毒ガス兵器の製造量は、旧陸軍、旧海軍で少なくとも7000トンを超えるといわれる。国内配備の実態は不明だが、研究・製造施設のあった神奈川県や茨城県などを中心に、全国各地で遺棄弾や井戸水の汚染の発見が相次いでいる。環境省の全国調査では、沖縄に毒ガス兵器が配備されているという確定的な情報はなかった。中国に持ち込まれた毒ガス兵器による環境汚染も問題化している。