防衛省・自衛隊は8月30日夜、北朝鮮の「衛星」発射に備えて石垣市南ぬ浜町に展開していた地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を石垣駐屯地内に移動した。吉田圭秀統合幕僚長は31日の会見で移動理由について、駐屯地内の工事が進んだことを挙げ「駐屯地内で必要な体制が取れるようになった」と説明した。一方、今後も駐屯地内でのみ展開するのか問われると「実際の状況が緊迫した時に適切に判断していく」と述べるにとどめ、駐屯地外での再展開を否定しなかった。
北朝鮮は10月に衛星を発射すると表明している。
PAC3は南ぬ浜町の人工ビーチ付近の緑地帯に展開されていたが、展開地の使用期限が31日までとなっていた。防衛省側は展開延長に向けて、市、沖縄総合事務局石垣港湾事務所の3者で協議し、9月15日までの延長申請をしていた。
だが、撤収したことで、31日に南ぬ浜町にはPAC3の発射機や関連車両、自衛隊員の姿は見られなかった。
市によると、防衛省側は15日までに展開地に残っている「目隠し」用のフェンスなどを撤去するという。
(照屋大哲、明真南斗)