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6年ぶりの熱演に会場から大歓声 組踊「忠臣・護佐丸」が上演 沖縄・読谷


6年ぶりの熱演に会場から大歓声 組踊「忠臣・護佐丸」が上演 沖縄・読谷 親の仇である阿麻和利(左)を討つ護佐丸の子の亀寿(右)と大城大主=8日、読谷村の喜名屋外ステージ
この記事を書いた人 Avatar photo 福田 修平

 【読谷】喜名伝統芸能保存会(波平等志会長)は8日、読谷村の喜名屋外ステージで「第18回 長者の大主 組踊 忠臣・護佐丸」の公演を開催した。同公演は初回から117年を迎え、近年は4年に1度上演されてきた。今回はコロナ禍の影響で、6年ぶりの喜名での公演となった。会場は立ち見が出るほどの観客で埋め尽くされ、終了後は大きな拍手と指笛が演者らをたたえた。

 忠臣・護佐丸は全10幕からなり、唄や踊り、立ち回りなどがある組踊だ。中城で強大な権力を持つ護佐丸が、権力を狙う阿麻和利に策略で討たれ、逃げ延びた護佐丸の子の亀寿があだ討ちをする物語。

月見をしていた護佐丸(右奥)が阿麻和利(右手前)に襲撃され、相対する場面
月見をしていた護佐丸(右奥)が阿麻和利(右手前)に襲撃され、相対する場面

 阿麻和利を演じた松田栄さん(47)は、供(内間大主)を演じた息子の大地さん(13)との親子共演となった。大地さんは父の栄さんの舞台に憧れて参加したという。栄さんは「自分も父の舞台に憧れて始めた。今回の舞台で父への親孝行ができてうれしい」と笑顔を見せた。

 演技指導として参加した、栄さんの父の栄康(ひでやす)さん(75)も「自分もまた、父の姿を見て憧れ、阿麻和利役を務めたこともある」と振り返る。栄康さんは「今回、孫と息子の共演を見られてとてもうれしい。大地にもぜひ阿麻和利役をやってほしい」と笑顔を見せた。

舞台に参加した役者や関係者ら
舞台に参加した役者や関係者ら

 保存会の波平会長は「伝統芸能を地域で伝えるために開催している。人員確保に苦労したが、素晴らしい公演ができた」と述べた。

 (福田修平)