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祝嶺さんと大湾さんに認定書 沖縄県出身 2023年度人間国宝


祝嶺さんと大湾さんに認定書 沖縄県出身 2023年度人間国宝 人間国宝の認定書を受け取った染織家の祝嶺恭子さん(左)、琉球古典音楽安冨祖流絃聲会の大湾清之さん=29日、京都府京都市の京都ブライトンホテル
この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子

 国指定重要無形文化財各個認定保持者(人間国宝)らの2023年度認定書交付式が29日、京都市内で開かれた。都倉俊一文化庁長官が、染織家の祝嶺恭子さん(86)=那覇市と、琉球古典音楽安冨祖流絃聲会の大湾清之さん(76)=那覇市に認定書を手渡した。

 祝嶺さんは「首里の織物」、大湾さんは「琉球古典音楽」で、それぞれ人間国宝に認定された。県内の人間国宝は17人(物故者含む)となった。

 工芸技術分野での人間国宝の認定は、2000年に「芭蕉布」で認定された平良敏子さん以来23年ぶり。「琉球古典音楽」での認定は、死去で解除された島袋正雄さん、照喜名朝一さんを含めると、2019年の中村一雄さんに続いて4人目。芸能分野での認定は2年ぶりとなる。

 祝嶺さんは「重要無形文化財保持者の名に恥じないよう、一層努力を重ねて後継者の育成に努めたい。そのために国のさらなる支援もお願いしたい」と話した。

 大湾さんは「今回の保持者認定で、私の研究に信頼が得られたということが大変ありがたい。もっと研究を重ねて多くの人に伝承していきたい」と意気込みを語った。

 文化庁はこのほか、2人のほかの人間国宝10人や総合認定保持者、選定保存技術保持者・保存団体に認定書を交付した。

(田吹遥子)