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映画作家・河瀬直美さんと「リュウカツチュウ」 フランスで公演 ユネスコ本部にも表敬訪問


映画作家・河瀬直美さんと「リュウカツチュウ」 フランスで公演 ユネスコ本部にも表敬訪問 ユネスコ本部にエルネスト・オットーネ事務局長補(左から4人目)を訪ねた河瀬直美さん(同3人目)とリュウカツチュウの棚原健太さん(左端)、高井賢太郎さん(左から2人目)、町田倫士さん(右端)=1月31日、フランス・パリ((C)Takeshi Dodo)
この記事を書いた人 Avatar photo 伊佐 尚記

 映画作家の河瀬直美さんと琉球芸能の若手グループ「リュウカツチュウ」が1から2月にかけて、フランスで公演を行い、国連教育科学文化機関(ユネスコ)本部への表敬訪問をした。公演は、河瀬さんがエグゼクティブディレクターを務める「なら国際映画祭」の海外イベントの一環。2022年に同映画祭で沖縄復帰50年記念特集をした経緯から、今回のイベントに琉球芸能公演を盛り込んだ。

 パリのユネスコ本部は1月31日に訪ね、エルネスト・オットーネ事務局長補と面談した。ユネスコ親善大使でもある河瀬さんは「文化は平和の架け橋だ。互いを理解し合うことは戦争や平和について考えることでもある。沖縄の歴史と文化を考え、伝え続けることは世界の平和を思うことに通じる」と話した。オットーネ事務局長補は「世界は非常に難しい局面にある。文化はこの対立に対して(融和を)働きかけられる」と語ったという。

 公演は2月2日にパリ日本文化会館、3日にコルシカ島のシネマテークで催した。河瀬さんによるMCや紅型幕に月の映像を映す演出など、見せ方を工夫した。コルシカ島ではスタンディングオベーションが起こったという。

 リュウカツチュウの3人は「言葉は違っても芸術に触れたときの喜びは共通する。外に出たからこそ、それに気付けた。これまで先達からの伝承に重きを置いていたが、伝統芸能が社会にどう関わっていけるかも考えていきたい」と話した。

 (伊佐尚記)