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「春」伝える舞と歌三線 内間安希と金城真次2人舞台 東京


「春」伝える舞と歌三線 内間安希と金城真次2人舞台 東京 本貫花を内間安希(右)の演奏で舞う金城真次=5日、東京都世田谷区のサローネ・フォンタナ
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 【東京】琉球古典音楽野村流音楽協会師範の内間安希が5月5日、「琉球古典音楽 四季の歌会Ⅱ」を世田谷区のサローネ・フォンタナで開催した。今回の歌会テーマは「春の花心」。内間が琉球古典音楽6題を独唱し、玉城流扇寿会師範の金城真次とは2題の琉球舞踊も披露し、さえある演奏と舞で舞台を飾った。

 舞台は1部で内間が出砂節と伊江節、昔蝶節の3曲を独唱した。合間には金城と舞踊「柳」を演じた。華やかな紅型衣装と色彩豊かな小道具で春を伝える舞は、奥ゆかしい古典芸能の世界に鑑賞者をいざなった。

 2部でも昔嘉手久節の独唱をはじめ、金城と共に古典の女踊り「本貫花」を披露。桜の情景と昔日の人の心象風景を重ねた曲と舞が鑑賞者を引きつけた。

 最後は春らしい曲「揚口説」の演奏で舞台を締めた。いずれの演目も前後で初心者に分かりやすい解説をした。

 2022年に4回開催した小空間での鑑賞会に続くもので、東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京のスタートアップ助成事業を活用した。今回の5回目の歌会も歌三線1人と舞踊1人という最小の実演形式。会場いっぱいの40人超の鑑賞者が舞台を目前に生の演奏と踊りに触れ、かつての王朝芸術を満喫した。

 7月15日には「夏の涼風」をテーマに中央区の橋楽亭で歌会を予定する。今回と合わせ計4回を催す計画で、秋と冬にも公演する。

  (斎藤学)