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沖縄県内の景気「拡大基調」 「回復」から引き上げ ホテル稼働率、個人消費も活性化 日銀那覇10月


沖縄県内の景気「拡大基調」 「回復」から引き上げ ホテル稼働率、個人消費も活性化 日銀那覇10月 イメージ
この記事を書いた人 Avatar photo 當山 幸都

 日銀那覇支店は11日に発表した10月の県内金融経済概況(主要指標8月)で、観光の好調さなどを踏まえ景気判断を「拡大基調にある」に引き上げた。前月までは「回復している」との判断を維持していた。判断引き上げは6カ月ぶりで、「拡大」の表現が入るのは新型コロナウイルスの影響が出始めていた2020年3月以来。同月までは「全体として拡大」との表現を用いていた。


 個別項目では、観光と住宅投資の判断を引き上げた。小島亮太支店長は全体の景気判断の引き上げについて、2日に発表した県内企業短期経済観測調査(短観)の内容も考慮し「『基調』という言葉で一定の留保はしつつも、判断を進めた」と説明した。
 観光関連は、8月の主要ホテル客室稼働率が台風6号の影響を受けながらも前年比1・5ポイント上昇の61%で、9月速報値は66・1%となっている。10月以降も団体旅行の予約が順調で、高めの水準の推移が見込まれる。
 住宅投資の判断は「弱めの動きとなっている」から「下げ止まっている」に引き上げた。新設住宅着工戸数で比重の大きい貸家で供給が増加し、家賃引き上げや利回り改善の兆しがあることなどを踏まえた。
 このほか、個人消費は台風の影響で抑制されたものの8月中旬以降は活発化。自動車登録台数は台風の影響で一時的に前年を下回ったが、今後も増加が見込まれる。家電販売は8カ月ぶりに前年を上回った。台風で故障した白物家電の買い替えが進んだとの声がある。 (當山幸都)