県建設業協会(津波達也会長)は25日、建設関係の東海工業専門学校金山校(愛知県、野村種明校長)と人材確保に向けた育成事業に取り組む連携協定を締結した。沖縄労働局が連携を後押しする。
団体として新たな取り組みで、慢性的な課題となっている離職問題や人手不足の解決につなげる。年末にかけて学校や会員企業に同協定について説明し、活用を促す。各企業の新入社員を2024年度に金山校に入学させることを目指す。」
協定は、同協会会員企業が新規登用した社員に学びの場を提供し、各種資格の取得を支援する内容。入学金は半額で、学生は正社員として給与支給や雇用保険加入を前提としている。教育費用は厚生労働省の人材開発支援助成金を活用し、沖縄労働局が計画作成や申請などを助言、支援する。
夏休みなど長期休暇時は各企業で通常勤務し社会経験を積むなど、2年間の訓練修了後も円滑に現場配置ができる仕組み。企業側にとっては学科分野を問わず幅広く採用して育成することで人材を確保できる利点がある。
県建設業協会は「建設に関してゼロベースからでも就職でき、実務を積み上げられる環境を整える」としている。
同協会の津波会長は「3年での離職率が高い中、2年間応援することで定着につなげたい。労働時間規制の2024年問題も控えており、このような仕組みが人材不足の課題解決につながると思う。技術力が要る職種で、入り口でしっかり素地をつくることにもなる」と進展を期待した。
野村校長は「これまで沖縄出身の学生を1271人送り出してきた。法改正で資格取得の年齢引き下げもある。しっかりと課程を組んで社会人として自覚を持った人材を企業に返し、沖縄の業界に貢献したい」と語った。 (謝花史哲)