有料

出た!牛枝肉1キロ1万円 過去最高に沸く もとぶ牧場が第1席 北部農林高も初出品 第49回県共進会 沖縄


出た!牛枝肉1キロ1万円 過去最高に沸く もとぶ牧場が第1席 北部農林高も初出品 第49回県共進会 沖縄 県畜産共進会で第1席を受賞し、1キロ当たり1万円で入札されたたもとぶ牧場の枝肉と坂口泰司社長=10月31日、南城市の県食肉センター
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 県畜産共進会協議会(下地常夫会長)は10月31日、南城市の県食肉センターで第49回県畜産共進会枝肉部門を開催した。県内各地から肉用牛25頭の枝肉が出品され、もとぶ牧場(本部町、坂口泰司社長)の枝肉が最優秀賞に当たる第1席に輝いた。

 見栄えがよく、サシの細かさなどが評価され、同時に開催された入札では1974年から継続開催されている共進会の過去最高価格に当たる1キロ当たり1万円で競り落とされた。会場からは「県外でもない高値だ」と驚きの声が上がった。

 飼料価格の高騰や子牛価格の低迷など農家を取り巻く環境が厳しさを増す中、関係者は「明るいニュースだ」と喜んでいる。

 第1席の牛の父は、好成績を収めてきた県の肉用種雄牛「美百合」。もとぶ牧場の枝肉は596・4キロで、霜降りの度合いを示す脂肪交雑基準(BMS)は最高値のナンバー12、肉質等級も最高のA5。坂口社長は「現場の方々のおかげで、今回の結果を得ることができた」と述べた。

 また、今回初めて北部農林高校が枝肉を出品し審査を受けた。惜しくも受賞は逃したものの、BMSはナンバー9、肉質等級はA5だった。全国和牛登録協会の勝田智博業務部長は「共進会に出品される名人の枝肉と並べても遜色がない。沖縄県の明るい未来を期待させる枝肉だった」と評した。

 共進会を運営する県農林水産部畜産課の担当者は、高額入札を行った購買者に感謝を述べた上で「これから美百合の子が県内家畜市場でも出品されてくる。農家にとって明るい話題になったのではないか」と語った。

 受賞したのは次の通り。(敬称略)
 第2席石川豊(うるま市)、第3席八風畑(南城市)、第4席もとぶ牧場(本部町)。脂肪質賞山城畜産(沖縄市)。

                                                 (玉寄光太)