【南風原】「ウルトラマン」シリーズの脚本を手掛けた金城哲夫さん(1938~76年)の出身地・南風原町で、町の伝統工芸「琉球絣」「南風原花織」にウルトラセブンのキャラクターなどを図柄として織り込んだオリジナルの織物「ウルトラセブンかすり」が誕生した。開発した町観光協会(髙橋庸正会長)が13日、町役場で会見し、試作品を発表した。
金城さんも脚本を執筆したウルトラセブンが昨年10月に放送開始55周年を迎えたことに合わせた企画。2023年度内の商品化を目指している。
琉球絣の技法を用いた「ウルトラセブンかすり」は男性が青地、女性が赤地の着物で、ウルトラセブンやキングジョー、エレキングなどのキャラクターやパーツなど5種類の図柄が配置されている。帯は南風原花織で、男性は赤地、女性は白地。セブンの肩回りやボディーに入りラインを織り込んだ。
町観光協の髙橋会長は「町の活性化につながる商品を目指した。大人がシックに着こなせる着物ができた」と語った。円谷プロダクションの麻生智義さんは「ウルトラセブンは異星人とも分かり合おうとするヒーロー。(琉球絣とのコラボは)セブンを体現している」と述べた。
受注生産も視野に、国内外のウルトラマンファンらを対象にしたアンケートを行い、価格などを検討する。
協会が21年度から取り組む「ヒーローのまちづくり事業」で、一括交付金約180万円を活用した。
キャラクターコンテンツ会社のDOKUTOKU460(那覇市)で代表を務める城間英樹さんがデザイン、琉球絣事業協同組合(宮城竹子理事長)が試作をそれぞれ担当。デザインを具現化する上で、柄の配置などで試行錯誤を重ねたという。
(岩切美穂)