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年末株価、34年ぶり高値 1年で28%高、円安追い風


年末株価、34年ぶり高値 1年で28%高、円安追い風 円相場、日経平均株価の推移
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 国内の金融市場は29日、年内の最終取引日を迎えた。東京株式市場の大納会の日経平均株価(225種)は年末としてはバブル経済期の1989年以来34年ぶりの高値で、史上2番目となった。終値は2022年末と比べ7369円67銭(約28%)高の3万3464円17銭。東京外国為替市場では日米の金利差が意識され、円相場は対ドルで最大25円近く下落した。
 平均株価の年間上げ幅はバブル崩壊後で最大だった。上昇基調は春から鮮明になった。新型コロナウイルスの5類移行による経済再開やインバウンド(訪日客)の増加、円安を受け、企業業績が回復。賃上げが広がり、デフレ脱却への期待が高まった。
 東京証券取引所が企業に株価を意識した経営を要請し、外国人投資家の日本株買いが膨らんだことも要因。22年末の終値2万6094円から5月に3万円台を回復し、バブル後高値の更新が相次いだ。夏以降は下落局面もあったが、3万円を割ることはなかった。
 円相場は日米の金利差を意識した取引が活発だった。米国のインフレが収まらず、連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを続けたため、運用に有利なドルを買って円を売る動きが広がった。1月は1ドル=130円程度で推移したが、11月には1ドル=151円80銭と今年最安値を付けた。政府・日銀による為替介入への警戒から、不安定な相場が続く場面もあった。
 日銀は7、10月に大規模な金融緩和策を修正し、債券市場で金利が上昇。ただ米国の金利上昇圧力が強く、円安を是正する効果は限られた。
 大納会の平均株価は続落し、終値は前日比75円45銭安。東証株価指数(TOPIX)は4・37ポイント高の2366・39。出来高は約12億8500万株だった。