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地銀、中小の海外進出支援 台湾・東南アジアに熱い視線


地銀、中小の海外進出支援 台湾・東南アジアに熱い視線 地方銀行の主な海外進出支援
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 地方銀行が、海外に成長の機会を求める中小企業の支援に力を入れている。取引先の多くが熱い視線を注ぐのは、半導体産業が集積する台湾や人件費が相対的に安い東南アジアだ。メガバンクとの接点が少ない地方の中小企業は現地の情報が不足しており、複数の地銀が連携して進出を後押しする動きもある。
 福岡銀行を中核とするふくおかフィナンシャルグループ(FG)は2023年12月、九州のスタートアップ(新興企業)に声をかけ、台湾・台北市で現地企業とのマッチングイベントを開いた。半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本県進出を機に九州と台湾の結び付きを強め、業容拡大を狙う動きが盛んだ。
 参加したスタートアップからは「幅広く交流できた」との声があったという。ふくおかFGは「今後も積極的に支援したい」と意気込む。
 横浜銀行では幅広い業種の取引先からベトナムへの進出に関する問い合わせが増えている。「国民が勤勉かつ親日的」(担当者)であることが魅力だ。行員を提携先の国営の銀行大手、ベトナム投資開発銀行に派遣し、法令対応やサプライチェーン(供給網)の情報を取引先に提供している。
 横浜銀は京都銀行や西日本シティ銀行と提携し、東南アジアや中国への進出を目指す取引先を共同で支援する試みも行っている。横浜銀の担当者によると、中国は生産拠点や消費地としての重要性は変わらないが、最近は経済安全保障のリスクが意識され、進出を避ける傾向もあるという。