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<ヒットのヒント>秘密を守りきります! 個人情報、安心して処理 鈴木一矢さん アーネスト


<ヒットのヒント>秘密を守りきります! 個人情報、安心して処理 鈴木一矢さん アーネスト 「コンパクトで持ち運びしやすく、処理したい書類などをどこでも裁断できます」と話すアーネストの鈴木一矢社長
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 得意先の一言がヒットのきっかけに―。アーネスト(新潟県三条市)のはさみ「秘密を守りきります!」は、他人に見られたくない銀行明細書などを細かく裁断できる。
 「うちの奥さんはシュレッダー代わりに使っているよ」
 2005年、板のりを細かく刻めるはさみとして販売したが、ぱっとせず。営業担当者が取引先との商談中、思いがけない利用法を教わった。刃が五つ連なり、通常のはさみのように使って縦、横の順でカットすると、3・5ミリの大きさに。はがきの厚さならば一度で1枚を処理できる。
 「食卓用に開発したが、その使い方もあると納得した。翌年、基本設計はそのままに使用目的を変えて販売し、1年で20万本を売り上げました」
 領収書などを手で細かくちぎって処分する必要がない。当時は個人情報保護法が施行され、社会全体で明細書や書類の扱いが注目の的に。ごみから住所などの情報を盗み取られず、安心できる。
 「自分の机に置き、シュレッダーの場所まで行かずに書類を処分するのにも便利だと、職場で使う人も増えました」
 軽量化した後発商品などを含め、累計で100万本を売り上げた。希望小売価格は1980円。
 「近年は通販サイトの利用が増え、宛名書きなどの処理にも便利だと、売り上げが伸びています」。新潟県出身。55歳。
アーネストの「秘密を守りきります!」