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東京プロ上場、23年最多 地方6割超、活性化に期待


東京プロ上場、23年最多 地方6割超、活性化に期待 東京プロマーケットへの新規上場企業数
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 プロ投資家向けの株式市場「東京プロマーケット」に上場する企業が増えている。2023年の新規上場数は32社と過去最多。近年は地方企業が全体の6割超と多いことが特徴だ。上場のハードルは低く、企業にとっては信用力向上や人材確保が進むメリットがある。市場を運営する東京証券取引所の担当者は「地域経済の活性化につなげてほしい」と強調する。
 プロマーケットは機関投資家など一部の投資家のみが売買できる市場。流通株式数などの基準はなく、比較的容易に短期間で上場できる。
 東証の集計によると、新規上場数は右肩上がりで、地方企業が目立つ。18~22年の新規上場企業の本社所在地では一般市場は東京都が71%なのに対し、プロマーケットは東京以外が64%を占める。東証が地方銀行との提携を生かしてセミナーを開くなどし、認知度が上がったためという。
 上場企業となれば信用力が高まり、資金調達や企業の合併・買収(M&A)でメリットがある。位置情報を活用したサービスを手がけるIT企業「Geolocation Technology(ジオロケーションテクノロジー)」(静岡県三島市)は20年に上場。専門人材の確保に苦労していたが、テレワーク希望者を取り込み上場後は応募者数が急増。山本敬介社長は「上場していることが安心材料になったと思う」と語る。
 同社は21年には九州地区での事業拡大を目指し、福岡証券取引所の新興市場に移籍。こうした一般市場にステップアッ
プする企業も増えている。
 プロマーケットは参加者が限られ、取引量が少ないことが課題。東証上場推進部の滝口圭佑課長は魅力向上へ「各地で上場企業が出て、雇用が生まれ、事業規模が拡大していく事例を増やしたい」と話す。