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ベア統一せずに要求/トヨタ労連、春闘方針決定


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 トヨタ自動車の労働組合で構成する全トヨタ労働組合連合会は12日、神戸市内で中央委員会を開き、2024年春闘の統一要求で、賃金を底上げするベースアップ(ベア)に相当する「改善分」の金額を示さない方針を正式決定した。各社の抱える課題は異なるとして、具体的な水準は各労組の判断に委ねる。金額を掲げずにベアを要求するのは4年連続。
 電動化の進展などで自動車産業は変革期を迎えている。各社の事業環境や課題に合わせて各労組が要求を策定し、経営陣と議論することでよりよい結果を引き出せると判断した。
 物価高への対応や自動車産業全体の魅力を高めて人材確保に取り組むほか、人件費など労務費の価格転嫁に注力する。西野勝義会長は中央委前の記者会見で「価格転嫁をしっかりとやっていかなければ、賃金の引き上げにも波及しない」と強調した。
 年間一時金(ボーナス)は23年春闘と同様、5カ月以上とする要求を維持した。