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中国輸出入前年割れ/23年 7年ぶり、内需低迷


中国輸出入前年割れ/23年 7年ぶり、内需低迷 中国輸出入の推移
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 【北京共同】中国税関総署が12日発表した中国の2023年の輸出は前年比4・6%減、輸入は5・5%減だった。輸出入とも前年割れとなったのは7年ぶり。対米欧の輸出入が大幅に減少した一方、ロシアとの貿易は急拡大した。ウクライナ情勢や米欧との摩擦を背景にした貿易の変調は、世界第2の経済大国である中国の先行きに暗い影を落としそうだ。
 輸出は3兆3800億ドル(約490兆円)、輸入は2兆5568億ドルだった。新型コロナウイルス流行の収束後も世界経済が勢いを欠いた影響で、輸出は16年以来の減少。輸入は中国の不動産不況で内需が低迷したことを受け、20年以来3年ぶりに前年を下回った。
 米欧を中心にサプライチェーン(供給網)の「脱中国」が加速する中、日米欧との輸出入はいずれも前年を下回った。輸出は米国が13・1%、欧州連合(EU)が10・2%と2桁減。輸入は日本が12・9%減と米欧より減少幅が大きく、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に伴う日本産水産物の輸入全面停止や日本製品の買い控えが要因とみられる。