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チャットGPT 新商品続々 米家電IT見本市 自転車、車…生活に浸透


チャットGPT 新商品続々 米家電IT見本市 自転車、車…生活に浸透 CES2024で紹介されたチャットGPTを使った商品やサービス
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 世界最大級の家電IT見本市「CES」では、米新興企業オープンAIが開発した対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を活用した新商品が数多く出展された。2023年に爆発的に流行した対話型AIはパソコンやスマートフォンから自転車など生活に身近な商品にも導入され、「GPT経済圏」の急拡大を印象付けた。
 香港発の電動自転車ブランド「URTOPIA(ユートピア)」は、チャットGPTを搭載した新型自転車を公開した。ハンドル部分に付けられた端末との会話が可能で、近くの店を探したり、話し相手になってくれたりする。担当者は「自転車での移動がより楽しくなる」とアピールした。
 チャットGPTを活用した商品は他にも。米企業が展示した高性能ボイスレコーダー(音声記録装置)「PLAUD NOTE(プラウドノート)」は、自動で文字起こしや要約を作成する機能を備える。「Rimo(リモ、東京)」は会議の議事録などの音源から自分好みの記事を作成してくれるツールを紹介した。
 8日のメディア向けイベントではドイツのフォルクスワーゲン(VW)が自動車へのチャットGPT搭載を表明しており、生成AIブームはスタートアップ企業から大企業まで及ぶ。オープンAI自体はCESに参加していないが、ロイター通信は「不在にもかかわらず影響力を感じさせるのはアップルをほうふつとさせる」と評した。
 オープンAIは10日、開発者がチャットGPTをベースに作った目的別のさまざまな対話型ソフトを公開できる「GPTストア」も始めた。開発者が収益を得られるようになり「GPT経済圏」は拡大する。調査会社スタティスタによると、生成AIの市場規模は30年には2千億ドル(約29兆円)を超える見込み。チャットGPTの生活への浸透はさらに進んでいく見通しだ。(ラスベガス共同=隈本友祐)
電動自転車に搭載されたチャットGPT=11日、米ラスベガス(共同)
自動記事作成ツールを紹介するRimoのブース=10日、米ラスベガス(共同)