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損保ジャパン、改善命令へ 金融庁 ビッグモーターと癒着


損保ジャパン、改善命令へ 金融庁 ビッグモーターと癒着 ビッグモーター問題に絡む行政処分や指導
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 中古車販売大手ビッグモーター(BM、東京)による自動車保険の保険金不正請求問題を巡り、金融庁が損害保険ジャパンに対し、保険業法に基づく業務改善命令を今月下旬に出す方向で調整していることが15日、分かった。BMと癒着し、不正を把握しながら取引維持を優先するなど保険契約者保護の意識が欠如していたと判断。内部管理態勢の立て直しや経営陣の責任明確化を求める。
 一連の問題を巡る行政処分としては、国土交通省によるBMの工場の事業停止や、金融庁によるBMの保険代理店登録取り消しに続く処分となる。金融庁は昨年9月19日に損保ジャパンへの立ち入り検査を開始。検査官が役員や職員への聞き取りや書類の分析、メールの復元を実施して問題の真因を分析してきた。
 損保ジャパンはBMにあっせんした契約者の事故車両の損害査定を簡素化するなど、BMの不正を助長する不適切な対応を取っていた。
 損保大手は契約者の事故車両の修理を紹介する見返りに、保険代理店だったBMから自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の契約を割り振られていた。不正を疑った損保各社がBMとの取引を停止する中、損保ジャパンは2022年7月、不正に気づきながらも唯一再開に踏み切った。
 金融庁は親会社のSOMPOホールディングスにも立ち入り検査を実施している。経済同友会の前代表幹事の桜田謙悟会長兼グループ最高経営責任者(CEO)の管理責任が焦点。SOMPOは社外弁護士で構成する調査委員会が一連の問題の最終報告書を取りまとめ、近く公表する。