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経済安保、漏えい懲役10年 政府 飲酒、薬物、犯罪歴調査


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府は17日、経済安全保障上の国家機密の取り扱いを有資格者に認める「セキュリティー・クリアランス」制度の最終取りまとめ案を有識者会議に示した。情報を漏えいした場合、特定秘密保護法と同じ「懲役10年以下」を念頭に罰則を導入する方針。飲酒や、薬物乱用、犯罪歴のような身辺調査をした上で資格付与を判断する。今月26日召集される通常国会での法制化を目指し、与党と制度設計を詰める。
 制度の対象となるのは主に国家公務員のほか、民間企業の従業員や研究者。企業の情報管理体制も審査する。運用に当たっては、身辺調査で把握した個人情報などの厳格な管理が求められる。
 取り扱うのは、主に経済安保上の重要情報で、サイバー攻撃への対策や国際的な共同研究開発、供給網の弱点といった内容が想定される。
 最終案は、既に制度を導入している米国など「主要国に通用する」枠組みとする必要性を指摘。機密や極秘情報を漏えいした場合の罰則を「特定秘密保護法と同じ水準とすることが適当だ」と強調した。企業活動の一環として情報を漏らした場合には、企業に罰金を科すべきだとした。身辺調査については、対象者の同意を前提に実施し、仮に不合格となったり調査を拒んだりしても、個人が不利益な扱いを受けるべきではないと強調。採用時には、資格取得が必要となることを告知し、解雇や理不尽な配置換えを強いてはいけないとした。対象者が別の組織に移ったとしても、資格の取得状況を確認できるよう専門機関で身辺調査を実施するべきだとした。