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顧客目線貫く「あねご肌」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 日本航空の次期社長に決まった鳥取三津子取締役専務執行役員(59)は30年以上、客室乗務員として第一線で働き、顧客目線を貫いてきた。周囲を力強く引っ張り、後輩に慕われる「あねご肌」の一面も。赤坂祐二社長(62)が重視した「お客さまと社員を真ん中に置いたチーム経営」のバトンを引き継ぎ、グループ3万6千人の先頭に立つ。
 17日の記者会見では自身の歩みを「(顧客の)多様な価値観に応え、また(日航を)利用したいと思ってもらえるようにやってきた」と振り返った。内向きになりがちな社内会議でも顧客目線を徹底し、ある幹部は「原点に立ち返る気付きをくれる存在だ」と一目置く。
 旧東亜国内航空(現日航)に入社した1985年は、520人が犠牲になった日航ジャンボ機墜落事故が発生。鳥取氏は「衝撃は今も強く心に刻まれている」と振り返り、サービスの前提となる安全運航への意識を「次の世代にも継承する」と力を込める。
 70年を超える日航の歴史で初の女性トップ。注目は集まるが気負いはない。「次のステップに悩む女性社員の後押しになれば」とさわやかに語った。