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牛初競り 最高139万円 南部市場 農家、消費拡大に期待


牛初競り 最高139万円 南部市場 農家、消費拡大に期待 初競りで税抜き139万8千円の高値をつけた華牛「福百合」の手綱を引くJAおきなわの前田典男理事長=17日、糸満市武富の南部家畜市場
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 糸満市武富の南部家畜市場で17日、2024年の初競りが開かれた。JAおきなわの前田典男理事長が手綱を引いた華牛「福百合」(去勢)が、税抜き139万8千円の最高価格で競り落とされた。前年初競りの最高値より21万2千円高く、会場からは驚きの声が上がった。
 子牛と成牛の計493頭が競りにかけられた。同市場の速報値で去勢牛の平均価格は53万299円、雌牛が43万7727円、総売上が2億594万5千円で、「幸先のいいスタートとなった」(市場担当者)。
 一方、多くの農家は、ウクライナ戦争や円安の影響による飼料代の高騰や、消費低迷を受けた子牛価格の低下を受け、採算が取れない状況が続いている。糸満市で100頭の牛を育てる農家の男性は「今が過去最大のピンチだ。先が見えない」と話す。補てん金なども活用しているが、経営安定にはほど遠く「消費拡大のためにも海外市場や観光客への売り込みを進めてほしい」と訴えた。
 前田理事長は、畜産経営の厳しさに触れた上で「引き続き生産農家、行政と連携に努めていきたい」とあいさつした。 (玉寄光太)