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日本産水産物輸入40%減 中国、処理水対抗の禁輸影響


日本産水産物輸入40%減 中国、処理水対抗の禁輸影響 中国の日本産水産物輸入額の推移
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 【北京共同】中国税関総署が18日発表した2023年の日本からの水産物の輸入額は前年比40・9%減の2億9949万ドル(約443億円)だった。昨年8月に東京電力福島第1原発処理水の海洋放出への対抗措置として日本産水産物の輸入を全面停止した影響で大幅に落ち込んだ。
 新型コロナウイルス流行で貿易が低迷した20年以来3年ぶりの低水準となった。23年通年の輸入額は1~11月の累計額から変化はなく、12月単月はほぼゼロとみられる。
 水産物禁輸のほか反日感情の高まりによる日本製品の買い控えなどを背景に、23年の日本からの輸入全体は12・9%減となった。スパイ容疑での邦人拘束などを受け、日本企業の多くは対中投資に慎重になっており、経済面でも日中関係は冷え込んでいる。
 日本政府は水産物禁輸措置の撤廃を中国に要求。岸田文雄首相と習近平国家主席は昨年11月の首脳会談で、処理水を巡り対話を通じて問題解決の方法を見いだしていくことで一致した。日中間の協議が行われるかどうかが水産物取引再開の鍵を握る。