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23年全国物価3.1%上昇 41年ぶりの伸び 家計に負担重く


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 総務省が19日発表した生鮮食品を除く全国消費者物価指数の2023年平均(20年=100)は、前年比3・1%上昇の105・2となった。第2次石油危機の影響で3・1%上昇した1982年以来41年ぶりとなる伸びの大きさ。上昇は2年連続で、22年の2・3%から拡大した。原材料価格の上昇や需要増加を背景に、食料を中心に値上げが広がり、家計の重い負担となった。
 同時に公表した23年12月の消費者物価指数は、前年同月比2・3%上昇の106・4だった。上昇率は2カ月連続で鈍化した。
 23年平均を項目別にみると、生鮮食品を除く食料が前年比8・2%上がった。上昇率は75年以来48年ぶりの高さだった。原材料費や輸送費の上昇を価格に転嫁する動きが続いた。鶏卵が28・7%、外食のハンバーガーが14・6%と値上げが目立った。
 家具・家事用品は7・9%、宿泊料を含む教養娯楽は4・3%、被服および履物は3・6%それぞれ上がった。宿泊料は17・3%値上がりした。インバウンド(訪日客)の回復や新型コロナウイルス対策の緩和で旅行需要が高まった。
 電気や都市ガス代を含む光熱・水道は6・7%下落した。政府による電気・都市ガス代の抑制策や燃料費の下落が寄与した。総務省は、抑制策がなければ23年平均の物価上昇率は3・9%になっていたと試算している。
 日銀は賃上げを伴う形で、物価上昇率を2%で安定させる目標を掲げている。24年も2%台になると予想する市場関係者が多く、24年春闘の動向次第では日銀が金融政策の正常化に踏み出す可能性がある。