有料

正気のサタン 酔わずに心満たす飲料 本田 敏也さん ヤッホーブルーイング


正気のサタン 酔わずに心満たす飲料 本田 敏也さん ヤッホーブルーイング 「酔わない状態の『正気』とやみつきになるほどおいしいという意味を込めた悪魔の『サタン』を組み合わせた商品名にしました」と話すヤッホーブルーイングの本田敏也さん
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 「酔わずに心を満たす商品をつくりたい」。ヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)が2022年8月に発売した飲料「正気のサタン」が好調だ。クラフトビールと同じ製法で0・7%と低アルコールを実現した。
 希望小売価格は350ミリリットルで239円。販売数量は計画比約3割増で推移している。国内外でノンアルコール飲料市場が拡大していることや、新型コロナウイルス禍による健康志向の高まりを受け「お酒好き以外の幅広い人にクラフトビールが持つ味や香りの楽しみを届けたい」と考案した。
 市場製品は、炭酸水に色や香りを付けたものやビールと同工程で造った後、アルコールを抜く製法がある。「クラフトビールと同製法で造りつつ、度数のみ抑えるという手法にこだわりました」
 ホップが決め手の同社のビール「インドの青鬼」の香りと味わいを参考に試行錯誤を重ねた。アルコール造りに欠かせない酵母の種類と発酵の温度調整で0・7%を達成。ホップは5種類を厳選し、かんきつ系の香りに。ビールのおいしさを消さずに度数を抑えることに苦心した。「原料の種類や量も含めて、236通り試しました」
 顧客から「本物のビールを飲んでいる気分で野球観戦ができる」といった声が寄せられる。「仕事や育児などで酔えない人にも楽しんでほしい」。東京都出身、42歳。