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国の債務超過702兆円 22年度、補正響き過去最悪


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 財務省が政府全体の財政状況をまとめた「国の財務書類」の最新版が22日判明した。負債が資産を上回る「債務超過」の額が2022年度末で702兆円に達し、21年度末から15兆円増えて15年連続で過去最悪を更新した。物価高対策に伴う巨額の補正予算で借金となる国債を大量に発行したことなどが響いた。近く公表する。
 債務超過は全ての資産を売っても負債を返せない状態で、企業であれば存続が危ぶまれる事態を意味する。国は企業と異なり、直ちに問題が生じるわけではないが、深刻な財務状況が改めて浮き彫りになった。
 22年度末の負債は1442兆7千億円で、21年度末から31兆7千億円増えた。このうち大部分を占める国債の発行残高は30兆円増の1143兆9千億円だった。
 電気・都市ガス代やガソリン価格の抑制策などを実行するため、一般会計の歳出総額が約29兆円に上る22年度第2次補正予算を編成し、その8割を国債で賄ったことで負債が膨らんだ。
 資産は16兆8千億円増えて740兆7千億円だった。現金・預金や有価証券などが増えた。
 財務省は国の財政状況を分かりやすく国民に示すため、企業会計の手法を参考にして、一般会計と特別会計を合算した財務書類を03年度分から毎年度作成している。