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景気「拡大基調」維持 日銀那覇1月 公共投資引き上げ


景気「拡大基調」維持 日銀那覇1月 公共投資引き上げ
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 日銀那覇支店は24日発表した1月の県内金融経済概況(主要指標2023年11月)で、「県内景気は拡大基調にある」との判断を維持した。個別項目では、防衛関連を中心に年度末にかけて発注増加が見込まれる公共投資の判断を「増加している」に引き上げた。

 個人消費は主要指標がいずれも前年を上回った。百貨店・スーパーは値上げによる客単価上昇や新型コロナウイルスの5類移行後、初めて迎えた年末年始の商戦、イベント消費で積極的な動きが見られた。衣料品販売など一部で暖冬の影響とみられる伸び悩みの声がある。

 観光は11月の主要ホテル稼働率が前年比7・4ポイント減の62・9%だった。12月速報値は56・2%。全国旅行支援の縮小や季節性を加味すると「足元の観光需要の好調さは需要そのものの強さを反映したもの」(同支店)と評価した。インバウンド(訪日客)の増加は今後も見込まれるが、全国に比べ出遅れ感がある。投資関連では11月の公共工事保証請負額が前年比78・9%増となり、年度末にかけた防衛関連の発注増加も見通されることから、公共投資の判断を引き上げた。コスト上昇による入札不調につながるリスクに留意が必要とも指摘した。 (當山幸都)