有料

貿易赤字9.2兆円に半減/23年、輸出最大の100兆円超え


貿易赤字9.2兆円に半減/23年、輸出最大の100兆円超え 貿易収支の推移(年間)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 財務省が24日発表した2023年の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は9兆2914億円の赤字だった。赤字は3年連続だが、赤字幅は前年比で54・3%縮小した。輸出額は半導体不足の緩和もあって自動車が増加し、初めて100兆円を突破。比較可能な1979年以降で過去最大となった。
 ただ自動車輸出の反動減が予想されるほか、海外経済の先行きを不安視する向きもあり、輸出拡大が今後も続くかどうかには疑問も残る。
 輸出は前年比2・8%増の100兆8866億円。これまで最大だった22年の98兆1736億円を上回った。輸入は資源価格の高騰が和らぎ、7・0%減の110兆1779億円となった。
 外国為替レートは23年平均で1ドル=140円17銭。前年比で7・2%円安が進行した。国・地域別では、対米国の輸出が11・0%増の20兆2668億円で過去最大となった一方、中国は6・5%減の17兆7647億円となった。米中への輸出額が逆転したのは19年以来4年ぶり。同時に発表した23年12月の貿易収支は3カ月ぶりの黒字で、黒字幅は621億円だった。先行きについて、米経済が金融引き締めの影響で減速することもあり「欧米向け輸出は弱含むだろう」と予測。輸入は「資源価格下落の影響がなくなり、マイナス幅が縮小」と見込んでいる。