性的な意図で、競技中のアスリートを無断撮影する行為が横行しているが、対策は各地で進みつつある。中学、高校を通し、陸上部員として無断撮影の被害に遭った立命館アジア太平洋大(大分県別府市)1年の池間優さん(19)は「苦しむ被害者がいることを世間にもっと訴える必要がある」と考え、啓発活動に取り組んできた。
北九州市出身の池間さんは、中学の陸上部で中長距離走に励んでいた2019年ごろ、後輩から交流サイト(SNS)に「写真があげられている」と告げられた。SNSで自分の名前を検索すると、無断撮影の動画や写真が投稿されているのを見つけた。「すごく嫌だった。友人と『気持ち悪いね』と話していた」
投稿者はX(旧ツイッター)に、九州各県の陸上競技大会で無断撮影したとみられるアスリートの写真を無断で掲載。名前と競技成績も付記していたという。高校生になっても、競技場で柱の陰からカメラを向けられるなど被害は続いた。
同市八幡西区の自由ケ丘高2年時に授業で盗撮被害を調査した際、アスリートの盗撮写真がアダルトサイトに転載されていることを知った。「もし自分がやられていたら」と衝撃を受けた。「悩んでいる人がいるなら解決したい」と決心した。
同級生約450人にアンケートを取ると、約8割がアスリートの盗撮被害について「知らない」と答えた。そこで「まずは認知度を上げよう」と、「撮影禁止」と英語で記した啓発用の缶バッジを製作。同校陸上部として、自身も出場した駅伝大会で、運営担当の教師らに着けてもらった。「先生や他校の友達にも興味を持ってもらえた」と話す。
駅構内などでの盗撮事件は知られているが、アスリートが受ける撮影被害は十分に理解されていない。「被害をなくすためには、認知してもらうことが必要」と訴えた。
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被害各地で、学生も苦慮 「悩み知って」啓発活動
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琉球新報朝刊
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