有料

アスリート無断撮影抑止 福岡県 条例改正「性暴力」と定義


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 福岡県議会は22日、スポーツ施設などで性的な意図で同意なくアスリートらを撮影する行為を「性暴力」と定義し、抑止に向けた広報啓発を施設側に求める改正県性暴力根絶条例を賛成多数で可決した。5月1日までに全面施行する。類似の条例は茨城、大阪両府県にもあるが、そうした行為を「性暴力」と定義する例は全国的にも珍しいという。
 改正条例は、スポーツ施設や学校、公共交通機関などで、性的な意図で同意なく人の姿態や部位を撮影する行為は、衣服着用の有無にかかわらず「性暴力」と明記。アスリートだけでなく、児童生徒、客室乗務員の被害を想定した。
 撮影画像がインターネットなどで拡散され、撮影された人の精神的苦痛が大きくなることを踏まえ、未然に防ぐため施設の管理・運営者による広報啓発の必要性があるとした。
 可決後、香原勝司議長は「いわゆるアスリート盗撮は性暴力になると、この条例をきっかけに福岡から発信していきたい」と話した。
 2023年の刑法改正では、性的部位や下着などの「性的姿態撮影罪」が新設されたが、アスリートのユニホーム姿などの撮影は対象外で、衆参両院の法務委員会は今後規制の検討を求める付帯決議を採択した。