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認証人員1.6倍超に 豊田織機が再発防止策 企業統治問われるトヨタ


認証人員1.6倍超に 豊田織機が再発防止策 企業統治問われるトヨタ 豊田自動織機の産業機械用や自動車用のエンジンを巡る認証不正で、国交省に再発防止策を提出し記者の質問に答える伊藤浩一社長(右端)=22日午後
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 トヨタ自動車グループの豊田自動織機は22日、産業機械用や自動車用のエンジンを巡る認証不正で、再発防止策を国土交通省に提出した。法規や認証に関連した業務の人員を2026年までに現在の1・6倍超に増やす。グループではダイハツ工業や日野自動車でも不正が判明し、国から行政処分を受けた。各社の風土改革や法令順守体制の立て直しは急務で、トヨタの企業統治が問われている。
 豊田織機の伊藤浩一社長は、再発防止策を国交省の鶴田浩久物流・自動車局長に手渡し「深く反省している。再発防止策を全社挙げて徹底していく」と述べた。国交省は先月22日、豊田織機に道路運送車両法に基づき是正命令を出し、1カ月以内に防止策を提出するよう求めていた。
 再発防止策では認証業務に関わる人員を増やすほか、自動車用エンジンの認証業務をトヨタに変更。社長を委員長とした「再出発委員会」で、防止策の実施と進捗(しんちょく)の確認を行う。
 伊藤社長が月額報酬の30%を6カ月分返納するのを含め、役員計13人が報酬を自主返納する。不正のあった時期に社長を務めた豊田鉄郎会長と大西朗副会長は、6月の株主総会後に退任する人事を既に発表している。
 トヨタは「二度とこうしたことを起こさないよう、継続的にサポートする」とコメントした。
 豊田織機は23年3月、フォークリフトなど一部の産業機械用エンジンの排出ガス試験で不正があったと公表。24年1月にはトヨタ向けの自動車用エンジンなどにも拡大し、該当するエンジンを搭載した「ランドクルーザー」など人気車種の生産や出荷が一時止まる事態となった。国交省は産業機械用の不正が悪質だったとして、5機種で大量生産に必要な「型式指定」を取り消した。
 相次ぐ不正を受けて国交省は2月下旬、型式指定を申請している全ての自動車メーカーなど計約80社に対し、不正の調査と4月末までの報告を指示した。