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OIST研究力 振興に 経済同友会シンポ 産学連携を議論


OIST研究力 振興に 経済同友会シンポ 産学連携を議論 沖縄の今後の振興へOISTとの連携の重要性について語る沖縄電力の本永浩之社長(右端)ら登壇者=24日、恩納村の沖縄科学技術大学院大学
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 国内企業の持つ課題の解決に沖縄科学技術大学院大学(OIST、恩納村)の研究力を生かそうと経済同友会(代表幹事・新浪剛史サントリーホールディングス社長)は24日、OISTの戦略や産学連携の在り方を学ぶシンポジウムを開いた。研究事例の紹介のほか、沖縄電力の本永浩之社長が登壇した討論会などを通じ、沖縄振興や国内企業の課題解決へOISTとの協同の可能性について議論した。
 シンポジウムはOIST内で開催。沖縄側を含め同友会関係者約60人が参加した。
 「産学連携によるイノベーション」や「沖縄振興」の課題などをテーマにした討論会で、本永社長は脱炭素社会の実現を目指し、OISTと連携する覚書を交わしたことを報告した。その上で「沖縄経済界としてもOISTの研究成果をいかにビジネスにつなげて沖縄の振興発展を図るかが大事だと思っている。そのためにも密接にコンタクトを取ることが重要だろう」と指摘した。
 OISTが沖縄に設立された経緯について「沖縄振興策の一環だったと思っている。OISTを核にした事業が沖縄の発展につながる。産業クラスターへ、ぜひステージを上げて沖縄の振興につなげていきたい」と語った。
 討論会ではOIST首席副学長技術開発イノベーション担当のギル・グラノットマイヤー氏、経済同友会副代表幹事でブイキューブ会長の間下直晃氏が参加。規制や人材など産学連携の課題などで意見交換し、沖縄を特区として活用していくことなどを提案した。
 事例紹介ではOISTが細胞膜の研究でサントリーと連携していることや量子研究の必要性などについて報告があった。 (謝花史哲)