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EU、巨大IT3社調査 デジタル市場法違反疑い


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【ブリュッセル共同=桜山崇】欧州連合(EU)欧州委員会は25日、巨大IT企業に自社サービス優遇を禁じた「デジタル市場法(DMA)」違反の疑いで、グーグルの親会社アルファベットとアップル、メタ(旧フェイスブック)の米大手3社の調査を始めたと発表した。7日に適用が始まったDMAに基づく正式調査は初めて。
 支配的な地位を利用して寡占を進めようとしているとして、巨大ITへの規制は米国や日本でも強まっている。
 EUは今回、DMA適用に先立って各社が取った対応は不十分の疑いがあるとしており、アルファベットとアップルについてはアプリ市場外のアプリに消費者を誘導することを制限している疑いがあるなどと指摘。またグーグル検索の自社サービスの表示を巡り競合他社のサービスが公正に扱われない恐れがあるとした。
 メタについては、利用者の同意なくデータを収集して関心に沿ったものを表示する「ターゲティング(追跡型)広告」を禁ずるDMAに従い広告非表示の有料サービスを始めたが、欧州委は広告表示か有料かの2択しかない対応を問題視した。
 調査の結論は1年以内に出すという。重大な違反には年間売上高の最大10%、繰り返した場合は最大20%の制裁金が科される。調査とは別に、米アマゾン・コムに対し自社製品を優遇していないかどうか情報収集していることも明らかにした。
 ベステアー上級副委員長(競争政策)は記者会見し「(IT企業が)DMAの目的を損なおうとすれば、あらゆる手段を使う」と警告した。
 米国では司法省などが21日に、アップルを反トラスト法(独占禁止法)違反で提訴したと発表。日本でも政府がグーグルとアップルのスマホの支配力を問題視し、アプリ市場の運営独占を禁じる新法を検討している。