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IAEA、柏崎原発調査 立地市村議会、再稼働要請


IAEA、柏崎原発調査 立地市村議会、再稼働要請 柏崎刈羽原発の調査を始めたIAEAの専門家チーム=25日午前、新潟県の同原発内
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 国際原子力機関(IAEA)の専門家チームが25日、テロ対策の不備が相次いで発覚した東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)を訪れ、改善状況を確認する調査を始めた。再稼働を目指す東電の依頼で、4月2日まで設備や運用状況を調べ、評価や助言をする。立地する柏崎市、刈羽村の両議会の議長はこの日、経済産業省を訪れ、早期の再稼働実現を要請した。
 専門家チームは5人。同原発内で東電担当者らとの会合に臨み「(柏崎刈羽原発の)核物質防護対策を評価し、必要に応じて助言をする」と強調した。
 柏崎刈羽原発では2021年1月以降、社員によるIDカードの不正利用や侵入検知設備の故障などが発覚。原子力規制委員会が事実上の運転禁止を命じたが、改善されたとして昨年末に解除した。
 柏崎市と刈羽村の両議会は今月、早期再稼働を求める請願を採択。柏崎市議会の柄沢均議長は25日、経産省幹部と面会し「地域の中長期的発展と経済活性化につながり、国の経済発展にも寄与する」と強調した。
 IAEAのグロッシ事務局長は今月12日、斎藤健経産相との会談で「速やかに稼働を始めることを妨げるものはない。技術的な評価や支援を惜しまない」と述べ、再稼働に協力する考えを伝えた。斎藤氏は18日、新潟県の花角英世知事に再稼働への理解を求めた。

柏崎刈羽原発の調査を始めたIAEAの専門家チーム=25日午前、新潟県の同原発内