有料

国内温室ガス2.5%減 過去最少 22年度 「30年度目標」へ隔たり大きく


国内温室ガス2.5%減 過去最少 22年度 「30年度目標」へ隔たり大きく 日本の温室効果ガス排出量
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 環境省は12日、2022年度の国内の温室効果ガス排出量は二酸化炭素(CO2)換算で21年度比2.5%減の11億3500万トンとなり、1990年度以降で過去最少になったと発表した。鉄鋼の生産減少や、家庭での省エネが影響したとみている。21年度は新型コロナウイルス禍からの経済回復で8年ぶりの増加となったが、再び減少に転じた。
 政府は森林によるCO2吸収などを差し引いた排出量について、30年度に13年度比で46%減らす目標を掲げるが、22年度は同22.9%減の10億8500万トン。依然隔たりは大きく、再生可能エネルギーの発電比率引き上げなど一層の取り組みが求められる。
 伊藤信太郎環境相は12日の閣議後記者会見で、30年度の目標達成は容易ではないとした上で「政府一丸となって対策を推進する」と強調した。
 部門別では、運輸部門が21年度から3.9%の増加。観光客の輸送量が増えたのが原因とみられる。産業部門は5.3%減で、家庭部門は1.4%減。前年度と比べて暖かく、暖房需要が低かった。
 森林などのCO2吸収量は5020万トンで6.4%減。人工林の高齢化が原因としている。沿岸域の海草や海藻による吸収量として35万トンを初めて算出した。ただ算定方法の妥当性に対する国連機関の審査がまだだとし、今回は算入しなかった。