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志賀原発30キロ圏、150人孤立 能登地震 通行止めで避難困難


志賀原発30キロ圏、150人孤立 能登地震 通行止めで避難困難 石川県・志賀原発、30km圏、輪島市、七尾市、穴水町、富山県
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 内閣府は12日、北陸電力志賀原発(石川県志賀町)周辺の避難計画などを協議する作業部会を同県庁で開き、元日の能登半島地震の後、30キロ圏内の14地区で150人超が最長16日間孤立していたことを明らかにした。原発が緊急事態になっていたとしても30キロ圏外へ避難できず、被ばくの危険にさらされた恐れがある。
 孤立したのは、輪島市の7地区計113人、穴水町の6地区計31人(不明分は除く)、七尾市の1地区10人。1月16日まで最も長く孤立したのは輪島市浦上地区の1人で、最終的に自力避難した。同市諸岡地区では61人が孤立し、ヘリコプターなどでの避難が完了したのは1月13日だった。孤立の原因は、のり面崩落による道路への土砂堆積や落石、倒木などで、11地区は山間部だった。
 また、30キロ圏内の30カ所以上で道路が通行止めとなった。少なくとも6カ所の放射線防護施設が地震直後に使用できなかったか、その可能性があったことも報告した。通行止めになった箇所のうち一部では、迂回(うかい)路が確認できなかった。
 国の原子力災害対策指針では、緊急事態の際、原発から5キロ圏の住民が先に避難し、5~30キロ圏は自宅や避難所などに一時退避した後、放射線量が高い地域などでは避難することとしている。
 志賀原発では5キロ圏に志賀町の一部、30キロ圏に同町や石川県羽咋市、中能登町の全域と七尾市のほぼ全域、輪島市などの一部が入る。能登半島地震を受け、原子力規制委員会は2月、指針を見直す議論を始めた。