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新卒採用「増やす」37% 人材獲得競争が激化 主要企業118社アンケート


新卒採用「増やす」37% 人材獲得競争が激化 主要企業118社アンケート 2025年度入社の新卒採用方針
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 共同通信社は13日、主要企業118社に実施した2025年度(25年4月~26年3月)入社の新卒採用に関するアンケートをまとめた。前年度実績より「増やす」との回答は37%(44社)。1年前の前回調査から7ポイント下落したが、人手不足を背景に高水準を維持した。初任給アップの動きは前回に比べ加速し、人材獲得競争の激化が浮き彫りとなった。元社員を再雇用したり、出産・育児への支援をアピールしたりする企業も目立った。
 25年度計画で、採用数を前年度並みとしたのは40%(47社)。「減らす」は10%(12社)、未定が8%(10社)、無回答は4%(5社)だった。
 採用を増やす理由(複数回答)は「自社の事業拡大」が68%で最多。「自社の業績向上」が27%と続き、新型コロナウイルス禍からの回復の定着がうかがえた。業種別では、小売りや建設などで増加傾向となった。減らす理由で多かったのは「デジタル対応を通じた省人化」の5社だった。
 24年度の初任給を上げる企業は81%となり、今後引き上げを検討する社も含めると85%に上った。25年卒の採用からは、就職活動解禁前のインターンシップ(就業体験)で得た学生の情報を企業が選考に活用できるようになり、早速活用するとの回答が半数を超えた。日進月歩の人工知能(AI)を合否判定に取り入れる企業も見られた。
 新卒に限らず、元社員を再雇用する「アルムナイ(卒業生)採用」、社員の紹介による「リファラル採用」といった特色のある採用活動を展開する企業も増えた。「即戦力となる」(陸運)、「ミスマッチが少ない」(化学)といった効果があるようだ。
 少子化が社会的な問題となる中で、仕事と出産・育児の両立支援に向け、男性育休や不妊治療の支援制度などをアピールする企業は72%となった。「制度を活用する社員に体験談を発信してもらう」(食品)など、一段の普及を目指す企業もあった。
 アンケートは3月中旬から4月上旬にかけて実施した。