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鍵握る中東情勢 市場、冷静な受け止めも


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 15日の東京外国為替市場の円相場は対ドルで約34年ぶりの円安水準を更新した。日米の金利差が拡大し、円売りを招いた。今後は金利動向に加え、中東情勢が鍵を握りそうだ。
 みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストは、米長期金利上昇の背景には、中東情勢を巡る市場の冷静な受け止めもあったとみる。現状ではイスラエルがイランへ反撃に出ておらず、戦争には発展しないとの見方が広がっているからだ。「投資家のリスク回避姿勢が和らぎ、安全資産とされる米国債が売られて利回りが上がった」
 三井住友DSアセットマネジメントの吉川雅幸チーフマクロストラテジストは原油価格の高止まりが続くとみた上で「貿易収支の悪化につながり、さらなる円安要因になりそうだ」と指摘する。
 野村証券の沢田麻希ストラテジストは「(米金利上昇による)景気への悪影響に対する警戒から投資家心理が冷え、株価下落につながった」との見方を示した。